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Profile

アスガー・ファルハディ Asghar Farhadi [製作・監督・脚本]

 

アスガー・ファルハディ

1972年5月7日、イランのイスファハンで生まれる。
子供時代から、ドラマや映画、物語を書くことに興味を持ち、スーパー8や16mmで映画を撮るようになる。1998年にテヘラン大学の芸術学部監督科修士課程を卒業。
大学在学中にいくつもの学生演劇の台本を書き、自ら演出した。また、国営ラジオ放送の台本を書き、テレビのシリーズ・ドラマの演出も手がけた。
2002年にエブラヒム・ハタミキア監督の『フライト・パニック〜ペルシア湾上空強行脱出〜』の共同脚本家として、映画界でのキャリアをスタートさせる。同作品は、前年に起こったハイジャック事件を映画化したもので、批評家からも高い評価を受け、大ヒットした。
2003年には、“Dancing in the Dust(砂漠で踊る)”で長編監督デビュー。初監督作品ながら、モスクワ国際映画祭のコンペティション部門に選出され、男優賞を受賞。
その後、2004年に“The Beautiful City(美しい街)”、2006年に“Fireworks Wednesday(水曜日の花火)”(2006)を発表。
第4長編となる『彼女が消えた浜辺』(2009)では、第59回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞し、イランでは年間興行成績第2位となるヒット作となった。
第5長編となる『別離』は、第61回ベルリン国際映画祭に出品され、金熊賞(最高賞)と銀熊賞(男優賞・女優賞)の3冠に輝いたほか、イラン国内では大ヒットを記録した。
ファルハディは、脚本からキャリアをスタートさせていて、本作でもいくつもの脚本賞を受賞するなど、脚本家としての才能は特に高く評価されている。また、監督としての技量も、デビュー作から既に内外の映画祭・映画賞で高い評価を受けてきているが、単に批評家の評判がよいだけではなく、イラン国内でのセールスもずば抜けていて、現在のイラン映画界の一翼を担うフィルムメーカーとなっている。

Message

私は、映画『別離』のことを探偵がいない探偵映画のようなものだと考えています。
パズルを解くのは観客であるあなたです。そこにはたくさんの答えがあるでしょう。
本作ではいくつもの問いがちりばめられていますが、明確な考え方や答えを示すということはしていません。
登場人物自身やその気持ちになりきって、直面した問題を考えてみてください。
私は、監督が大衆よりも優れていて、あたかもアドバイザーやメッセンジャーのようにふるまうような時代は終わったと考えています。
それは、つまり、観客がもっと能動的になって、積極的に物語に関わっていく時代になったということです。
観客は、観ている映画の中から自分でアングルを選ぶことができます。
だから、観客のみなさんは、探偵役になって、本作の示す問いについて考えてみてください。

――アスガー・ファルハディ

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